現在の工業高校は、
①大学進学率の向上とともに、普通科高校志向が強まる中で、専門高校の相対的な人気低下の傾向が生まれ、工業高校を本来志望していない不本意入学者が増加している
②明確な目的意識をもたず入学してくる生徒が多くなった結果、中途退学する生徒が多くなっている
③基礎学力の不足している生徒、主体的な学習態度が身に付いていない生徒が多いため、専門教育を深めることができない
④基本的な生活習慣や社会性が身に付いていない生徒もみられ、生活指導の充実が求められている
⑤進路指導の重点が就職に置かれ、大学等への進学希望者に充分対応していない
など多くの課題を抱えています。
そこで東京都は、これらの課題を克服し、さらに生徒や世間の多様なニーズに応えるために都立高校改革を行い、その一環として工業高校については、それぞれ科学技術高校、単位制の工業高校、新タイプの工業高校の設置を行っています。
すでに平成13年度に科学技術高校、平成16年度に六郷工科高校が開校し、平成18年度には総合工科高校が開校しています。また、平成22年度に小金井地区科学技術高校の開校を予定しています。
もちろん、工業高校の新設・再編だけでなく、既存の工業高校の活性化も図ります。
既存の工業高校では、アドバンストテクニカルハイスクール構想というものがあり、工業高校の改革の先導的な役割を担う「リーディング・テクニカルハイスクール」として平成16年10月、蔵前工業高校、府中工業高校、葛西工業高校の3校を指定しました。
蔵前工業高校は大学進学を視野に入れたスペシャリスト型、府中工業高校は高度資格取得を目指すテクニカ
ル型、葛西工業高校は職業観・勤労観育成を図るマイスター型の工業高校として、それぞれの特色を明確にした教育を行っています。
都立科学技術高校
科学技術高校の特色としては、
①多彩な実験と実習
②ゼミ形式授業の導入
③大学との連携
などが挙げられます。
また科学技術高校は、少人数対応の指導を行い、クラス定員35名。
英語・数学・理科では、習熟度別授業を基本にし、少人数対応(20~25名)のきめ細かい指導を行います。
都立科学技術高校では、ほとんどの生徒が大学進学を希望しており、平成16年3月にはじめて卒業生を出しました。
平成17年3月の第2回卒業生の主な大学進学実績
国公立大学
首都大学東京(3)、電気通信大学(2)、帯広畜産大学、山形保健医療大学、群馬大学、埼玉大学、お茶の水女子大学、横浜市立大学、三重大学、広島大学の計13名
私立大学
日本大学(12)、東京電機大学(13)、東海大学(9)、工学院大学(6)、千葉工業大学(7)、東京理科大学(3)、東京工科大学(3) 千葉科学大学(3)、中央大学(2)、拓殖大学(2)、日本獣医畜産大学(2)、日本工業大学(2)、淑徳大学(2)、LEC大学(2)、明治大学、青山学院大学、芝浦工業大学
都立科学技術高校の応募倍率
平成13年度
募集人員90人 受験者120人 受験倍率1.33倍
合格者90人 手続者数88人
平成14年度
募集人員95人 受験者73人 受験倍率0.77倍
合格者73人 手続者数69人
平成15年度
募集人員95人 受験者126人 受験倍率1.33倍
合格者100人 手続者数97人
平成16年度
募集人員105人 受験者120人 受験倍率1.14倍
合格者109人 手続者数108人
平成17年度
募集人員105人 受験者122人 受験倍率1.16倍
合格者107人 手続者数103人
小金井地区科学技術高校
小金井地区科学技術高校は、都立小金井工業高等学校を改編し、第二の科学技術高校として設置されます。各学年6学級(210人)、計18学級相当(630人)の規模を想定し、平成22年度を開校予定。
小金井地区科学技術高校は、では、基礎・基本学習の徹底を図るとともに、希望する大学等への進学を実現するためにAO入試・公募制推薦入試・センター試験など多様な大学入学試験に対応した教育を行います。
授業については1日7時限45分とし、外国語(英語)・数学・理科の3教科では、重点科目として100分授業を取り入れる。理科については、複数科目履修ができるように設定します。また、数学については、
生徒の理解がより深くなるように科目配置を行います。
また、広範な科学技術に対する興味・関心を喚起し、一人ひとりの適性発見につなげるため、実験・実習の体験・課題学習、専門分野に関する特別講義等のプログラムを設定し、生徒一人ひとりが将来の進路を見すえて学習が行えるようにします。
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